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親名義の実家をどうする?“争族”にならない生前対策

日本では今、「実家の行方」が家族関係を揺るがす重大なテーマとなっています。空き家問題の増加、人口減少とともに、「親が亡くなった後、誰が実家を相続するのか」という現実が、多くの家庭にのしかかっています。

特に問題になりやすいのが、兄弟姉妹間のトラブル=“争族”。仲が良かったはずの家族が、不動産という現金化しにくい資産をめぐって、争いに発展するケースが後を絶ちません。

今回は、実家を「相続トラブルの火種」にしないための具体的な生前対策をご紹介します。

■ 実家が“争族”の原因になる理由

相続財産のうち、不動産は分けにくい資産の代表格です。とくに親の持ち家、すなわち「実家」は、感情面と経済面が複雑に絡み合います。

たとえば、

  • 「長男が親と同居していたから、そのまま住み続けるつもりでいる」

  • 「次男は離れて暮らしていたが、実家の持分を現金で欲しいと主張」

  • 「三女が介護していたから多くもらいたいと考えている」

といったケースでは、不動産の評価額と“感情の評価”が食い違い、話がまとまらなくなるのが一般的です。

さらに、

  • 実家が郊外や地方にある

  • 空き家になって長期間放置されている

  • 名義変更や権利関係が曖昧になっている

といった場合、**相続後に売却も使用もできず、固定資産税や管理責任だけが残る“負動産”**と化す恐れもあります。

■ 生前にやるべき4つの対策

こうしたトラブルを避けるためには、「親が元気なうち」にできる準備が鍵となります。

① 家族全員で“実家の今後”を話し合う

もっとも重要なのは、事前に家族で話し合いの場を持つことです。

  • 誰が住み続けたいのか?

  • 売却の可能性はあるか?

  • 維持管理費や税金の分担はどうするのか?

これらを言語化しておくだけで、相続時のトラブルは大幅に減らせます。

② 親が“遺言書”を作成する

実家のような分割しにくい資産こそ、遺言書で意思を明確にしておくことが不可欠です。

特に、「誰に何を相続させるか」がハッキリ書かれていないと、法定相続人間での調整が困難になります。

自筆証書遺言でも可能ですが、法的トラブルを避けるために公正証書遺言がおすすめです。

③ 実家の“資産価値”を冷静に把握する

思い出のつまった実家でも、市場価値が低ければ、相続後に売却できず、負担だけが残るケースも少なくありません。

  • 現在の査定価格

  • 固定資産税評価額

  • 売却・活用の可能性

これらを事前に調べ、不動産会社にセカンドオピニオンをもらうのも有効です。

④ “生前贈与”や“家族信託”の活用を検討する

相続税の節税や、認知症リスクに備えるには、贈与や家族信託も有力な選択肢です。

  • 生前贈与は年間110万円まで非課税

  • 相続時精算課税制度を使えば2,500万円まで特別控除が可能

  • 家族信託なら、本人が判断できなくなっても実家の管理・売却が可能

専門家と相談しながら、自分たちに合った仕組みを導入することが肝要です。

■ 実家は“資産”にも“遺恨”にもなる

実家は、かつて家族が共に暮らし、思い出を紡いだ大切な場所です。しかし、現実問題として、使われなくなった不動産は、資産価値よりも“維持負担”が上回ることも多いのです。

誰が住むのか、どう管理するのか、売却するのか──。この議論を親が健在なうちに“家族で共有すること”こそが最大の生前対策です。

■ 最後に

「うちは仲がいいから大丈夫」と思っていても、いざ相続が発生したときには、感情と現実がぶつかる場面が必ず訪れます。だからこそ、“今”から準備を始めることが、親にも子にも安心な選択です。

実家の将来を“争族”の原因にせず、家族の絆を守るために。あなたの家族にも、そろそろ「実家会議」を開いてみてはいかがでしょうか?