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法人化で節税?

不動産会社設立のメリットとリスク

「そろそろ法人化を検討すべきかも…」
「個人での不動産所得が増えてきた」
「法人にすれば税金が安くなると聞いた」

不動産投資が軌道に乗ってきた段階で、誰もが一度は考える“法人化”。
たしかに法人化には節税や資産形成の強力な武器となる側面がありますが、同時にリスクやコストも存在します。

今回は、不動産法人を設立する前に知っておきたいメリットと落とし穴をわかりやすく整理します。

■ そもそも「不動産会社を法人化する」とは?

不動産を個人名義ではなく、会社名義で保有・運用することを指します。
この会社は、一般的に「資産管理会社」や「不動産管理会社」として設立されます。

■ 法人化の主な【メリット】

✅ 1. 所得分散による節税効果

個人の所得が高くなると、所得税・住民税合わせて最大55%(2025年時点)まで税率が上昇。
法人税は中小企業であれば実効税率23~30%程度
に抑えられ、明確に税負担が軽減されます。

✅ 2. 経費として認められる範囲が広い

法人では、出張費や役員報酬、通信費、会議費などが経費として計上しやすくなり、節税の幅が広がります。

✅ 3. 家族に役員報酬を支払える

妻や子を役員にして報酬を支払えば、合法的な所得分散が可能。家族の扶養控除・配偶者控除を調整することで、世帯全体の税負担を軽減できます。

✅ 4. 相続・贈与の対策に有効

法人に資産を移すことで、個人から個人への相続ではなく、法人所有の資産の株式移転で承継できるため、相続税の評価額を下げやすくなります。

✅ 5. 社会的信用が上がる

法人名義の契約が可能になり、金融機関からの融資や取引の幅が広がる。長期的に不動産事業を展開する上で重要なポイント。

■ しかし、法人化には【リスク】や【デメリット】も

❌ 1. 設立・維持コストがかかる

  • 設立費用:約20〜30万円(登記、印紙、司法書士費用など)

  • 毎年の法人維持コスト(税理士報酬、決算申告費用など):20〜50万円前後

❌ 2. 赤字でも税金がかかる(法人住民税)

→ たとえ赤字決算でも、法人は**均等割(年7万円前後)**の支払いが必要。

❌ 3. 融資のハードルが上がることも

→ 法人での不動産購入には、個人と異なる審査基準が適用され、設立初期は信用力不足で融資が通りにくいケースも。

❌ 4. 個人名義から法人名義へ資産を移すと譲渡税が発生

→ 個人から法人への不動産譲渡には譲渡所得税+登録免許税+不動産取得税がかかる。
→ 節税のつもりが、初期コストで逆にマイナスに転じることも。

■ 法人化が向いている人は?

以下のような条件に当てはまる方は、法人化の恩恵を得やすい傾向にあります:

条件 内容
年間不動産所得 800万円以上(概ね節税効果が法人維持費を上回るライン)
不動産の保有数 3件以上、またはこれから拡大予定
家族への所得分散 配偶者や成人の子に報酬を支払える体制
中長期での資産形成 相続や贈与まで視野に入れた設計
サラリーマン兼業 → 専業化予定 本業にするなら法人化は視野に入る

■ 法人化した場合のモデルケース(簡略)

● 個人の場合

所得1,200万円 → 税率33% → 約400万円が税金

● 法人化+家族役員報酬の場合

  • 会社:600万円利益 → 法人税20%で120万円

  • 配偶者・子供へ各300万円の役員報酬 → 各自の税率は10%以下
    → 合計税負担:約180万円前後 → 約220万円の節税効果

※実際の計算には個別要因あり、税理士との事前相談必須です。

■ まとめ:法人化は“戦略的選択”であって“万能薬”ではない

不動産投資の法人化は、「節税できるからやる」という短絡的なものではなく、
中長期的な資産運用・事業展開・相続対策まで含めた総合判断が重要です。

「法人化したら損する人」もいれば、「法人化しないと損する人」もいます。
まずは自分の現在地と将来像を把握したうえで、“税理士×不動産コンサル”のタッグで判断することをおすすめします。