COLUMN2026.08.06

見えないリスクを説明できる会社を選ぶべき理由

見えないリスクを説明できる会社を選ぶべき理由

不動産において、リスクがまったくない物件はほとんどありません。道路、境界、権利関係、建築制限、管理状態、周辺環境など、何かしら確認すべき点があります。

重要なのは、問題が一つもないことではありません。重要なのは、問題がどこにあり、それがどの程度の影響を持ち、どのように対応できるのかを説明できることです。

不動産会社の価値は、物件を紹介することだけにあるわけではありません。調査し、整理し、判断材料として言語化することにあります。特に土地や戸建、相続不動産、築古物件、事業用地では、表面的な価格や面積だけでは判断できません。

道路に関しては、建築基準法上の道路か、接道義務を満たしているか、セットバックが必要かを確認する必要があります。接道規制については、国土交通省の道路関係規定運用指針でも整理されています。

境界に関しては、筆界と所有権界の違い、境界標の有無、確定測量の有無、越境の有無を確認する必要があります。筆界特定制度は、法務局がもともとあった筆界を明らかにする制度であり、所有権の範囲を直接決める制度ではない点にも注意が必要です。

権利関係に関しては、登記事項証明書を確認し、所有者、共有持分、抵当権、相続登記の状況などを把握する必要があります。不動産登記制度は、権利関係を確認するための重要な基礎資料です。

これらを確認せずに、価格や立地だけで取引を進めることは危険です。購入後に再建築が難しいと分かる、売却時に境界問題が発覚する、共有者の同意が取れず売れないといった事態は、決して特殊な例ではありません。

では、どのような不動産会社を選ぶべきでしょうか。答えは明確です。良い点だけでなく、不利な点も説明できる会社です。

「この物件は良いです」と言うだけなら簡単です。しかし、本当に必要なのは、「この物件にはこういうリスクがあります。そのリスクは価格にこう影響します。事前にこの資料を確認し、この手続きを行えば、取引可能性は高まります」と説明できることです。

不動産取引では、知らなかったリスクが最も危険です。逆に、事前に把握され、説明され、対処方針が整理されているリスクは、判断材料になります。

Beyond Realtyが大切にするのは、物件を売ることではなく、顧客が納得して判断できる状態をつくることです。不動産は高額で、人生や資産形成に大きく関わるものです。だからこそ、見えない部分まで確認し、説明し、必要であれば専門家と連携しながら進める姿勢が重要です。

この8週間の連載では、道路、接道、私道、セットバック、境界、越境、権利関係、調査方法を整理してきました。結論は一つです。

不動産の価値は、見えている部分だけでは決まりません。 本当の価値は、見えないリスクをどこまで確認し、説明できるかで決まります。