COLUMN2026.07.30

プロが物件を見るとき、最初に確認する調査ポイント

プロが物件を見るとき、最初に確認する調査ポイント

不動産調査は、現地を見るだけでは完結しません。プロが物件を評価する際には、現地調査、役所調査、法務局調査、資料確認を組み合わせて、物件のリスクと価値を判断します。

まず行うのは現地調査です。現地では、道路幅員、接道状況、境界標の有無、越境、隣地との高低差、擁壁、電柱、上下水道の引き込み、周辺環境などを確認します。建物を見るだけでなく、土地全体の使われ方、隣地との関係、道路との接し方を観察します。

次に役所調査です。役所では、用途地域、建ぺい率、容積率、防火地域・準防火地域、高度地区、道路種別、建築制限、都市計画道路の有無などを確認します。特に道路種別は重要です。見た目では道路に見えても、建築基準法上の道路かどうかは行政資料で確認する必要があります。

建築基準法上の道路や接道規制については、国土交通省の資料でも整理されており、建築物の敷地が法上の道路に一定以上接していることが重要な前提になります。

法務局調査では、登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面などを確認します。登記事項証明書では所有者、抵当権、地目、地積、共有持分などを見ます。公図では土地の位置関係を確認し、地積測量図では測量の履歴や境界情報を確認します。不動産登記に関する情報は、法務省が制度として案内している不動産登記の仕組みに基づき確認します。

資料確認も重要です。売主が保有している確定測量図、境界確認書、建築確認済証、検査済証、賃貸借契約書、私道承諾書、越境覚書などを確認します。古い物件では資料が残っていないこともありますが、その場合は「資料がない」という事実自体が判断材料になります。

プロの調査で重要なのは、各資料を単独で見るのではなく、現況と照合することです。登記上の面積と実測面積は一致しているか。公図と現地の形状に大きな違いはないか。道路台帳の内容と現地の道路幅員は整合しているか。測量図に記載された境界標は現地に残っているか。

このように複数の情報を重ねることで、初めて物件の実態が見えてきます。

また、調査結果は単に問題点を見つけるためだけのものではありません。リスクを把握したうえで、価格にどう反映するか、売却前に解消すべきか、買主にどのように説明するかを判断するための材料です。

不動産調査の目的は、完璧な物件を探すことではありません。完璧な物件はほとんど存在しません。重要なのは、問題を隠すことではなく、事前に把握し、説明可能な状態にすることです。

次回は最終回として、見えないリスクを説明できる不動産会社を選ぶべき理由を解説します。